BEGIN 35th ANNIVERSARY
さにしゃん
SPECIAL SITE

35周年

さにしゃん
スペシャルサイトオープン!

1990年3月21日に「恋しくて」でメジャーデビューを果たしてから35年。ファンの皆様や関係者の皆さんに支えられ、2025年3月21日に35周年を迎えることができました。
さにしゃんスペシャルサイトでは、これから開催される『うたの日コンサート2025』、『さにしゃんライブハウスツアー』やニューアルバムの他、アニーバーサリーにふさわしいスペシャルコンテンツを続々と公開していきます!

BEGIN
since 1990

NEWS

GALLERY

ALBUM

  • アルバム「太陽」ジャケ写
  • 太陽

    7年ぶりとなる待望のニューアルバム「太陽」が7月2日(水)にリリース決定!新曲「太陽」、「ほなバイバイ〜大阪マドロス女〜」を含む全11曲を収録。

    01. 太陽
    02. ほなバイバイ~大阪マドロス女~
    03. 沖縄Sunshine Day
    04. ワイキキシェル
    05. 星空の下のRADIO
    06. 4匹のチワワ
    07. ただ雲になる
    08. 開拓者
    09. 夜空にブルースを
    10. 空気いただきます
    11. なんくる君であれ

    BEGIN35周年記念公演
    『さにしゃんサンゴSHOW!!』
    (3月30日 日本武道館公演)

    01. 東京音頭
    02. 炭坑節
    03. 渋谷百年総踊り
    04. いつものように
    05. 恋しくて
    06. 涙そうそう
    07. 三線の花
    08. 海の声
    09. 砂糖てんぷら
    10. アサイーボウル
    11. 国道508号線
    12. 笑顔のまんま
    13. 太陽
    14. ただ雲になる
    15. ほなバイバイ〜大阪マドロス女〜
    (マルシャメドレー)
    16. バルーン
    17. 上を向いて歩こう
    18. 365歩のマーチ
    19. 自動車ショー歌
    20. お祭りマンボ
    21. 好きになった人
    22. ガラスのジェネレーション
    23. 勝手にシンドバッド
    24. 銀河鉄道 999
    25. ソウセイ
    26. 竹富島で会いましょう
    27. オジー自慢のオリオンビール
    28. かりゆしの夜
    29. なんくる君であれ

    EN1. ボトル二本とチョコレート
    EN2. 島人ぬ宝

    ■特典映像
    ・35周年記念公演『さにしゃんサンゴSHOW!!』バックステージムービー at 日本武道館
    ・Album「太陽」ジャケット・ブックレット撮影ドキュメント & メンバートークセッション
    ・BONUS TRACK - 大阪城ホール公演への感謝を込めて -
     35周年記念公演『さにしゃんサンゴSHOW!!』「おつかれさん」「防波堤で見た景色」ライブ映像 at 大阪城ホール

    通常盤
    CD
    価格¥3,182(税抜)/¥3,500(税込)

    初回限定盤
    CD +Blu-ray
    価格¥8,000(税抜)/¥8,800(税込)

    【完全限定生産】アスマート限定スペシャルセット
    CD +Blu-ray +“太陽”オリジナルグッズ- フード付き冷感タオル
    価格¥9,409(税抜)/¥10,350(税込)

アルバム「太陽」オフィシャルライナーノーツ

デビュー35年のオリジナルアルバムを生まれ故郷の石垣島で制作した。
そこに大きな意味を感じない人はいないだろう。

3人それぞれが自分の書いた曲をバンドで歌っている7年ぶりのアルバム「太陽」は、ここから新しい一歩を踏み出すという第二のデビューアルバムのようだ。

田家秀樹(音楽評論家)

7月2日に発表されるBEGINの7年ぶりのアルバム「太陽」を聴いた時、第二のデビューアルバムなのではないかと思った。
バンドの成り立ちを思わせる曲とともに3人がBEGINの「これまでとこれから」を歌ったようなアルバムだったからだ。

BEGINのデビュー曲「恋しくて」のカップリング曲がエリック・クラプトンの「Wonderful Tonight」だったことを記憶している人がどのくらいいるだろう。彼らが「恋しくて」で「イカ天」に最初に出た時の自己紹介コメントにはこんな言葉が載っている。
”ブルースを基盤として言葉を大切にしたバンドです。これからは沖縄の音をBluesにうまく取り入れていきたい“。
今更ではあるが、3人は石垣島の同じ高校の音楽仲間だ。
でも、90年代に“沖縄”を正面切って取り上げた曲は多くない。デビューアルバム「音楽旅団」の中でも三線が聞こえるのは彼らのオリジナル「SLIDIN‘ SLIPPIN’ ROAD」くらいだろう。
沖縄色よりもブルースの心地よさが魅力的な日本語のバンドだった。
本格的に島唄取り上げるのは2000年7月のアルバム「BEGINの島唄~オモトタケオ」まで待たないといけない。
3月に「涙そうそう」が出た後だ。なぜそこまで島唄を歌わなかったのか。
栄昇はこれまでの取材の中でそんな質問に二つの答えをくれた。
一つは「島唄には生涯一筋という人も周りにいる。
自分たちがやってはいけない音楽だと思っていた」というものだ。
「BEGINの島唄~オモトタケオ」には彼の同級生の島唄歌手、大島保克も参加している。
もう一つが「沖縄の若者も本土の若者と同じ音楽を聴いて影響もされていると知って欲しかったから」だった。
彼らが上京した当時、沖縄出身ということで別扱いされるという経験は珍しくなかったという。

7年ぶりのオリジナルアルバム「太陽」は石垣島で制作された。
「デビュー35周年を越えたバンドが、その一作目を故郷の島で作った」
そこに意味を感じない人はいないのではないだろうか。これだけの時間を経て思うこと。
同じように旅をしてきた同年代や旧知の友を見送る年来だから考えること。
アルバムのタイトル曲でもある一曲目「太陽」はそんな曲に思えた。地上の全ての物語を照らす太陽に向けた歌。
陽気なホンキートンク風のピアノは等の持ち味だ。
「ほなバイバイ~大阪マドロス女」は、昭和の歌謡曲が歌い継がれているという石垣島ならではの“踊れる飲み屋ソング”だ。

アルバムは全11曲。3人がそれぞれの書いた詞曲を歌っている。
栄昇が5曲、優は3曲。ギターのリフが気持ちいい「沖縄Sunshine Day」、ノスタルジー溢れるマンボのようなインスト「4匹のチワワ」、中でも上京当時を回想するような「夜空にブルースを」はこれぞ優だ。
思いがけなかったのは等が詞曲を書いた「星空のRADIO」と「開拓者」の2曲だった。後者は石垣島に渡った開拓者を思って書いたそうだ。時間の重みと未来への希望を歌う。ソロのシンガーソングライターとしてデビューしている等も優もBEGINのアルバムだからこそ歌えたことなのかもしれない。
加山雄三のデビュー60周年に贈った「ワイキキシェル」の作詞は栄昇で作曲は等と栄昇だ。
一曲目の「太陽」と対になったような達観が沁みる「ただ雲になる」やメジャーデビュー前のエルビスそのもののようなロックンロール「空気いただきます」。曲調は違ってもどれも彼らの「素」が伝わってくる。

BEGINは、メジャーシーンにいながら東京の流行や業界の常識に染まらなかったバンドだ。
彼らがいなかったら本土の音楽ファンがブラジルやハワイと沖縄からの移民の歴史を知ることはあっただろうか。
時の流れの中で忘れさられた出来事や失われた景色。ライブでの楽しみ方もそうだ。何が一番大切なことなのか。
そして、自分たちがやるべき音楽はどういうものなのかを求め続けてきた。
2025年の1月に出た35周年記念ベスト「さにしゃんベスト」は、「島唄」を歌うようになった 2000年以降の曲が主だった。
「太陽」は、そうやって区切りをつけた後の原点回想と同時に今の自分たちのありようを綴ったアルバムに思えたのだ。そして、何と言ってもアルバムの最後を飾る、栄昇が書いた久々の島唄、「島人ぬ宝」を思わせる「なんくる君であれ」だ。「何とかなるよ」という楽天的な言葉として知られる沖縄の方言「なんくるないさ」の本来の意味は「挫けずに正しいことをしていればいつか良い日が来る」だという。
歴史の流れに翻弄されてきた沖縄の人たちを支えてきた言葉は沖縄だけでなく日本という島国に向けた願いの歌に聞こえた。
石垣島から始まった音楽旅団の長い旅。デビューアルバム「音楽旅団」にメンバーが書いた曲は11曲中5曲、詞は3曲だけだった。
石垣島で3人それぞれ自分の曲を歌った「太陽」は、当時は果たせなかった理想の形なのではないだろうか。
BEGINは島唄で始まったわけではない。たどり着いたと言った方がいいのだと思う。自分たちらしくあろうとした軌跡とともに新たな面も見せ、彼らにしか歌えない「島唄」で締めくくる35年。
使い古された言葉を借りれば「第二のデビューアルバム」。

ここから、また新しい旅が始まるのだと思う。

LIVE

  • BEGIN 「さにしゃんサンゴSHOW!!」〜35年目の音楽旅団ツアー〜
    [2025年]
    9月19日(金)東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
    9月20日(土)神奈川・小田原三の丸ホール
    9月23日(火・祝)新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
    9月27日(土)静岡・静岡市清水文化会館マリナート大ホール
    9月28日(日)三重・イスのサンケイホール鈴鹿(鈴鹿市民会館)
    10月3日(金)石川・金沢市文化ホール
    10月4日(土)長野・長野市芸術館 メインホール
    10月11日(土)鹿児島・宝山ホール(鹿児島県文化センター)
    10月12日(日)宮崎・日向市文化交流センター 大ホール
    10月17日(金)奈良・なら100年会館 大ホール
    10月18日(土)兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
    10月25日(土)島根・島根県民会館 大ホール
    10月26日(日)香川・サンポートホール高松 大ホール
    11月8日(土)福島・いわき芸術文化交流館アリオス アルパイン大ホール
    11月9日(日)岩手・奥州市文化会館 Zホール 大ホール
    11月13日(木)山形・酒田市民会館「希望ホール」大ホール
    11月15日(土)秋田・由利本荘市文化交流館カダーレ 大ホール
    11月16日(日)青森・弘前市民会館
    11月23日(日)熊本・市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
    11月24日(月・祝)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
    [2026年]
    1月16日(金)沖縄・宮古島市文化ホール(マティダ市民劇場)
    1月18日(日)沖縄・那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場
    1月31日(土)北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)
    2月7日(土)宮城・東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)
    2月14日(土)山口・三友サルビアホール(防府市公会堂)
    2月15日(日)広島・広島上野学園ホール
    2月23日(月・祝)京都・ロームシアター京都 メインホール
    3月1日(日)愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
    3月8日(日)東京 東京・NHKホール
    3月14日(土)愛媛・しこちゅ~ホール(四国中央市市民文化ホール)
    3月15日(日)高知・高知市文化プラザかるぽーと・四国銀行ホール
    3月20日(金)大阪・オリックス劇場
    3月21日(土)大阪・オリックス劇場
    3月28日(土)沖縄・石垣市民会館
    3月29日(日)沖縄・石垣市民会館
  • 沖縄からうた開き!うたの日コンサート2025 in 那覇 supported by 第一興商
    日程:2025年6月28日(土)
    時間:開場12:00 / 開演14:00
    会場:奥武山公園 陸上競技場
    出演:BEGIN / 森山良子 / 川中美幸 / 中村耕一 / エルボーズ / 宮良あゆみ / 宮城姉妹
    司会:きゃんひとみ
    チケット料金:一般:7,000円(税込) / 高校生:3,500円(税込)
    ※未就学児・小中学生は入場無料
    うたの日HP:https://www.utanohi.jp/
  • BEGIN 35周年『さにしゃんライブハウスツアー』
    5月10日(土)開場17:30 / 開演18:00
    沖縄・桜坂セントラル
    5月13日(火)開場18:00 / 開演19:00
    沖縄・宮古島GOOD LUCK!
    5月28日(水)開場18:00 / 開演19:00
    東京・B.Y.G
    5月29日(木)開場18:00 / 開演19:00
    東京・B.Y.G
    5月31日(土)開場17:00 / 開演18:00
    兵庫・神戸チキンジョージ
    6月7日(土)開場17:00 / 開演18:00
    大阪・なんばHatch
    6月9日(月)開場18:30 / 開演19:00
    高知・四万十SILVER
    6月13日(金)開場18:00 / 開演19:00
    愛知・DIAMOND HALL
    6月15日(日)開場17:00 / 開演18:00
    東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO

SPECIAL

わたしとBEGIN
「わたしとBEGIN」は関係者とのエピソードによってBEGINを紐解いていく企画です。
デビュー35周年を迎えたBEGINと縁のある著名人や関係者、ライター/音楽評論家35組の方々に
BEGINとの思い出とこれからを語っていただきました。
森山良子

森山良子

BEGINの音楽は彼らの人柄そのもの

森山良子


BEGINの皆さん、えっ?!もうデビュー35周年?!
本当におめでとうございます!

BEGINとの出会いは、野外ライブでの共演がきっかけでした。芝生に座って聴くBEGINサウンドは、心地よく身体を吹き抜けるようでした。「音は人」という言葉があるように、BEGINの音楽はまさに彼らの人柄そのものだと感じました。

その後、私のラジオ番組へのゲストとして来ていただくお願いをしながら、できれば一緒に曲が作りたいねと意気投合し、「涙そうそう」が生まれました。

ピュアに音楽に向かい、大切な故郷の島を思う気持ち。
それは私たち島国で生まれ生きる者にとって、共通のメッセージだと感じます。
これからも変わらぬご活躍を心から楽しみにしています。


www.ryoko-moriyama.jp

MONGOL800

MONGOL800

変わっていく事に悠々と向き合う、3人の個性

MONGOL800


35周年おめでとうございます

かれこれ20年以上、もっとかな
モンパチを可愛がってもらってます

先輩・後輩の面倒見の良い優しい兄貴達がいるおかげで、沖縄の音楽シーンは縦も横も斜めにも幅広く繋がっている気がします

BEGINの継続的な活動を励みに背中を押されながら頑張ってるアーティストは少なくないはず、今作のアルバムはそれを象徴するような印象を受けました

変わっていく事に悠々と向き合う、3人の個性がとても心地良くて

強い陽射し、ポカポカとした木漏れ日、海に落ちる夕焼け、色んな光で照らしてくれる「太陽」

そんな温かい作品でした

島人の太陽

これからも3人で沖縄を照らし続けて下さい

キヨサク(MONGOL800)


BEGINの皆さん、35周年おめでとう御座います。
モンパチサッシです!

僕らがまだ10歳の頃に流行っていた
「恋しくて」という曲。
子供ながらに耳に残って口ずさんでいたのを今でも思い出します。

「三線の花」のリリースでは、CDジャケットの題字を担当させて頂いて、本当に感謝しています。
大好き過ぎて、今では僕のカラオケの十八番になっています。笑

ニューアルバムの「太陽」も正に無駄を省いた楽曲とリラックスした雰囲気が最高に心地良く、
御三方それぞれメインボーカルでの歌い回しの中、ちゃんとサビでは3人のハーモニーが混ざり合い、お互いに協調し合う感じがとてもハートフルで、思わずニンマリしてしまいます。

初めて出会った時から、ずーっと背中を追いかけて来てますが、石垣のにーにーたちがいつでも僕らの前を歩いてくれてるのが本当に安心できますし、力をもらってます。
これからもマイペースで素晴らしい楽曲を聴かせてくださいね。

髙里悟(MONGOL800)


https://www.mongol800.jp/25th/

かりゆし58

かりゆし58

BEGINは愛情とユーモアを持って接してくれる最高な兄さん達

かりゆし58


BEGINの皆さん、デビュー35周年おめでとうございます!
僕が20歳前後の頃、東京の生活が孤独で心折れそうな時聞こえて来た「島人ぬ宝」
僕だけじゃないあの頃のウチナーンチュをどれだけ救ってくれたか。
アルバム「太陽」は島に音楽に愛し愛されてるBEGINだから出来るアルバムだと感じました、本当に素敵です!

新屋行裕(Gt)


BEGINさんとはテレビの音楽番組で「恋しくて」を一緒に演奏させて頂いたのが私の中では良い思い出です。
個人的には「防波堤で見た景色」が大好きで、ライブで聴けた時は涙が止まりませんでした。
これからもBEGINの背中を追いかけます!

中村洋貴(Per.)


祝35周年!
数年前、3人編成で演奏するBEGINのライブに、まさかの代打ボーカルで出演させて頂きました。
本番2,3日前に依頼の連絡があり、当日に出演者の中でBEGINが最年少だと知り、まだ音楽の道にはこんなにも長い続きがあるのだと感動しました。
そのステージを降りる時「ありがとうございます、BEGINでした」と言ったのは僕、そして2番目に若い宮沢和史さんへお繋ぎしました。
新作「太陽」に収められた数々の好曲たちを聴きながら、またあの連絡を密かに待っています。

前川真悟(Ba/Vo)


23年前、沖縄を離れ一人暮らし始めた頃に買ったCD『ビギンの島唄 オモトタケオ2』

夜アパートの屋上で聴いた「山原や」でホームシックというものを知りました。
いくつもの人生のシーンの中にBEGINの音楽が近くにあり、愛情とユーモアを持って接してくれる最高な兄さん達へ、35周年おめでとうございます!!

宮平直樹(Gt)


kariyushi58.com

兵庫慎司

兵庫慎司/音楽ライター

ライブ・バンドBEGINのタフさ

兵庫慎司


35周年の日本武道館、言うまでもなく良かったですが、その直後(4月26日)に観た、「ARABAKI ROCK FEST.2025」での、シアターブルックとのコラボ・ステージのすばらしさが、とても印象に残っています。つい最近ですが、つい最近なだけに。

セットもなければ転換時間も短い野外フェスという環境、合同リハはおそらく一回くらいしかできなかったと思われる他のバンドとのセッション、しかも相手は個性の塊のシアターブルック。という状況の中で、BEGINのファン以外も含むフェスの参加者たちをあっさりと巻き込み、ひとり残らず幸せにしていくパフォーマーとしての地肩の強さに、「まいりました」と言いたくなりました。しかも、ご本人たちも、本当に楽しそうで、幸せそうだったし。

ライブ・バンドBEGINのそんなタフさを、今後も観られることを楽しみにしています。『太陽』の11曲、どれもライブで聴きたくなる曲ばかりだし、既にライブで聴けた何曲かはすばらしかったし。

改めて、デビュー35周年、おめでとうございます。


〜 Coming Soon 〜

INTERVIEW

 7年ぶり21作目となるBEGINのニューアルバム『太陽』は、沖縄の太陽の光や潮風をたっぷり吸い込んだ“MADE IN 石垣島”の傑作となった。根底に喪失感や無常観の漂う曲もあるが、悲しみや痛みを受けとめて、新たに進んでいこうとするパワーが詰まっている。未来へのまなざしも感じ取れる作品だ。35周年となる今、彼らはどのようにしてこの素晴らしい作品を完成させたのか。35周年の一連の活動も含めて、比嘉栄昇(Vo)、島袋優(Gt / Vo)、上地等(Key / Vo)の3人に話を聞いた。

BEGINの音楽を自分たちの人生と重ね合わせてくれている

――まずは、35周年の武道館と大阪城ホールのライブを終えての感想を教えてください。

島袋優(以下、島袋):35年やってこれて、あれだけたくさんの方が来てくれたことへの嬉しさもあり、驚きもありという感じでした。

上地等(以下、上地):僕は35周年の実感があまりなかったんですが、武道館や大阪城ホールのお客さんを目の前にした時に、こんなにたくさん来てくれたのは、これまでの時間があったからなんだなと、35年という月日をやっと実感しました。

島袋:友達のミュージシャンが、「めちゃくちゃ大きいライブハウスで見てる気持ちになった」と言っていたので、やりたかったことは伝わったのかなと思います。

比嘉栄昇(以下、比嘉):単純にうちらのファンはすごいなと思いますよね。世代を超えて、これだけの方々が集まってくれたのは、BEGINの音楽がただ好きだというだけでなく、自分たちの人生と重ね合わせてくれているからなのかなって。個人的には、せつなさのような感情もありました。自分の家族もそうなんですが、デビューの頃から馴染みのファンの方って、顔を覚えているので、あの人は来れないんだなと思うと、寂しさも感じますよね。

――マルシャと流行歌を融合した「マルシャメドレー」も圧巻でした。ミクスチャーというよりも、チャンプルーだなと感じました。

比嘉:チャンプルーって、“ごちゃ混ぜ”という意味なんですが、僕が思っている解釈があります。例えば、ゴーヤーチャンプルーだったら、なぜゴーヤと豆腐とポークなのかという時に、沖縄の人は、アメリカから大切なもの(ポーク)が来た、だったらこっちも大切なもの(ゴーヤ)を差し出して混ぜようという精神があるんですよ。僕らが作っている音楽「マルシャショーラ」も同じような感覚です。

――根底にリスペクトがあるということですね。

比嘉:マルシャはサンバよりも前からあるブラジルの音楽で、今でも大切にされています。ブラジル音楽の大先輩である坂尾英矩さん(元在サンパウロ総領事館広報文化担当)に、「君たち、マルシャをやりなさい」と言われて、僕らがチャンプルーさせる時に何を差し出すべきなのかと考えました。その結果、日本の流行歌だろうという結論に至りました。ブラジルにマルシャがあるように、日本には日本人が大切にしている流行歌があります。流行歌を混ぜるのだから、純粋なマルシャに失礼にならないように、“しましょう”という意味の沖縄方言の“ショーラ”を付けて、BEGINの“マルシャショーラ”と名付けました。こうすることで、この音楽に対する責任は自分達にあることを明確にし、自分達の音楽として確立していこうということです。

影の部分だからこそ、光のほうに転換することがある

――最新アルバム『太陽』は7年ぶり、21作目のオリジナル作品です。7年という期間があいたのはどのような理由からですか?

島袋:BEGINの30周年が2020年だったので、そのタイミングで、ライブやレコーディングの計画を立てていたのですが、コロナ禍があって、流れてしまいました。その間に、デジタルシングルという形で何曲かリリースはしています。しかし、それらをまとめてアルバムにするよりは、新しく一から作るほうがいいのではないかと考えました。そして、去年の暮れから準備し始めて、今年になって、ほぼ石垣島でレコーディングしました。自分たちとしても初めての経験でしたが、“MADE IN 石垣島”の作品になりました。

比嘉:7年ぶりになったのは、完全にお客さんが悪いですよ。というのは、お客さんが新曲を待っていないから(笑)。ある意味、恵まれた幸せなバンドではあるんですが、「恋しくて」から始まり、「涙そうそう」「声のおまもりください」「防波堤で見た景色」「島人ぬ宝」「笑顔のまんま」「オジー自慢のオリオンビール」など、ライブで外せない曲がいっぱいあり、セットリストを組むと、それだけでパンパンになります(笑)。新曲を1曲入れるだけでも大変で、お客さんから「この曲をやらないのか」とクレームが来ます(笑)。でも今回は、35周年なので、ここはちょっとやらせてくださいという気持ちを持てたので、周年っていいものだなと思いました。

――35周年がアルバム制作のきっかけの1つになったんですね。

上地:いいきっかけになりました。今年57歳になりましたが、僕は18歳で上京してからずっと東京に住んでいて、石垣島に戻っていないんですよ。でも石垣島への思いは常にあって、今回、石垣島でレコーディングできて、いい経験になりました。

比嘉:僕の気持ちとしては、せっかくレコーディングで長い時間を過ごすんだから、そのタイミングで、「等(上地)も優(島袋)も実家に寄ったらどう?」という気持ちが先にありました。レコーディングのやり方も変わってきて、以前のように大きなスタジオでやらなくてもいいし、特にBEGINの場合は、ちょっとしたスペースがあればどこでもできるんですよ。自分は暮らしの中の音楽を作りたいですし、暮らしがあるところのほうが歌いやすいから、石垣島でレコーディングするのがいいなと思いました。

島袋:長期間、石垣島にいることが最近はなかったので、新鮮な気持ちになりました。スタジオに行くまでの道のりも楽しいんですよ。今日は、違う道からスタジオに行ってみよう、みたいな感じで。「生まれてから、この道を通ったことないわ」と話しながら、通っていました(笑)。そういうことも含めて、かなり気持ちは違いました。

――石垣島で作っている良さの中には、「沖縄Sunshine Day」のような曲を、沖縄の光までも届く曲として、作ることが出来るんだろうなと思いました。

比嘉:そうですね。

――アルバムタイトル曲の「太陽」は、コンサートスタッフと身近な仲間が亡くなったことがきっかけで生まれた曲だと、比嘉さんが武道館でのMCでも説明されていました。

比嘉:僕らは今年57歳ですが、この歳になると別れもあって、自分の親とか祖父母とか、順番通りの別れは、まだどこかで納得のいく部分もあるのですが、後輩や音楽仲間、先輩方が亡くなられると、家族とはまた違う喪失感があるんですよ。ところが最近になって、別れには悲しみしかないと思っていた影の部分に、ちょっと日が差したと感じた瞬間がありました。影の部分だからこそ、光のほうに転換することがあるんだな、人生にはそういうこともあるんだなと思ったことが、「太陽」を作るきっかけになりました。

――お二人はこの曲が出来上がってきて、どう感じましたか?

島袋:もしかしたら、俺も栄昇(比嘉)も等も、「太陽」で思い出す人が違うのかもしれないんですよ。「涙そうそう」もそういう曲でしたが、それぞれに思い浮かぶ人がいる曲になったんじゃないかと思います。〈俺の太陽は お前の笑い顔さ〉という部分では、俺は、去年亡くなった大好きだった大先輩の顔が浮かぶんですよ。歌って、映像がない分だけ、自分の頭の中で映像を作れるところがすごいなと思います。

上地:最初にこの曲を聴いた時に、栄昇があるスタッフの名前を言ったので、ああ、その人のことを歌っているのかって、その瞬間にすっと入ってきました。歌詞の意味がリアルにわかるんですよ。僕もいいなと思ったし、この曲、ぜひやりたいねと思いました。

もう1回、自分たちなりの島唄が作れないだろうか

―― 「ワイキキシェル」は加山雄三さんへの提供曲のセルフカバーです。加山雄三さんに関しては、『ビギンの一五一会 58ドライブ』で、「お嫁においで」をカバーしていたこともあります。この曲を作った経緯、今回、カバーした経緯を教えてください。

比嘉:最初のとっかかりは等なんですよ。

上地:そうなんですが、「ハワイアンにしようよ」と言ったのは栄昇でした。とても納得がいくし、加山さんはハワイアンを日本に紹介してくれた原点的な方なので、加山さんのハワイに関する音楽をいっぱい聴いて作り、できたものを栄昇に渡しました。

比嘉:この曲は制作がスタートした時点で、加山雄三さんに歌っていただくことは決まっていたので、僕が自分で歌詞を書くというよりも、もし今、岩谷時子さん(※加山雄三さんの多くの作品の作詞を手掛けた作詞家。2013年に逝去)がいらっしゃったら、加山さんはうれしいだろうなと思ったので、岩谷時子さんになりきって書いていました。岩谷さんの作る歌詞は素晴らしいので、あの域には到底及びませんが、そのエッセンスが自分の中から滲み出て、加山さんに届けられたらいいなと思いながら歌詞を書きました。

――「ワイキキシェル」って、なんてロマンチックなモチーフなんだろうと驚いたのですが、岩谷さんの力を借りたんですね。

比嘉:自分の中では、岩谷さんが手伝ってくださったんだと思っています。

―― 今回のBEGINバージョンは、演奏している雰囲気まで伝わってきました。

比嘉:基本的に「せーの」でスタジオで演奏して、その音をそのまま録音しています。昔ながらのレコーディング方法ですよね。

――石垣島のスタジオはどのような佇まいなのですか?

比嘉:親父が建設業をやっていたので、その時に使っていた普通の現場小屋に、14ミリの厚さの壁をつけて、無理矢理改造しました。

島袋:でっかいプレハブ小屋です。だから、雨が降ってきたら、屋根にあたる音がするので、レコーディングができません(笑)。実は「ワイキキシェル」もかすかに雨音が入っています。雨が上がった瞬間に、「今だ!」って録音したのですが、ポツンポツンという音がかすかに入っています。

――「星空の下のRADIO」も明るい曲調でありながら、じわりと染みてくる曲です。これも別れがテーマの歌で、上地さん作詞・作曲です。

上地:「太陽」の話にも通ずるかもしれませんが、もう逝ってしまった同級生のことを思い出して作った曲です。普段の生活では、忘れてしまっているんですね。石垣で友達に会った時に、その同級生の話をされて、ドキッとして、あいつのことを思い出した瞬間の思いも詰め込んでいます。今、僕はFM いしがきサンサンラジオで『Walking Talking Radio』という番組をやらせていただいているので、ラジオへの思いも込めて、作りました。

――「なんくる君であれ」は、BEGINにとって島唄の新しい代表曲になるのではないかと感じました。この曲はどんなきっかけから生まれたのですか?

比嘉:沖縄音楽にとっては、BEGINの影響が良かった部分もあれば、光と影のように、良くなかった部分もあると僕は思っているんですね。島唄、もしくは沖縄民謡の線引きが難しくなったところがあるからです。「イラヨイ月夜浜」という曲は、大島保克と一緒に作った曲で、完全なるまぐれでできた曲で、島の民謡酒場などでも定番の歌になりましたが、あれはまぐれだから、もうそういう歌は作っちゃいけないという気がしていたんですよ。でも35周年ということで、一生にもう1回、自分たちなりの島唄が作れないだろうか、あの頃の気持ちに立ち返って島唄と向き合ってみようと思って作ったのがこの歌でした。

――アルバム『太陽』が完成して、どんなことを思いましたか?

上地:35周年という年にアルバム『太陽』ができたのは、とてもラッキーだったと思います。と同時にBEGINの活動のスタイルとしては、ライブが一番似合ってると思うんですよね。いいアルバムができたなと思っているので、その楽曲たちを僕らが一番得意とするライブで、全国を回って広げていきたいなと思っています。

音楽旅団の旅は続いていく

―― ホールツアー『「さにしゃんサンゴSHOW!!」 ~35年目の音楽旅団ツアー~』の日程も発表になりました。

島袋:恐ろしいほどのスケジュールが入ってきて怖いですけど、「まだまだやれるな、やるぞ」という気持ちでいます。

比嘉:デビューの頃、「僕らは音楽旅団」というキャッチコピーで活動していたんですよ。35周年になって、その旅がまだ続いていきそうなので、今の充実した状態のBEGINをぜひ観に来てほしいです。若い世代を見ていると、全部デジタルになっているから、音楽コンテンツは、時代を超えて自由に聴くことができるじゃないですか。でも「生身の人間はそうじゃないよ」と言いたいですね。僕はボーカルなので、自分のこの声で歌えるのが、あとどれくらいなのか、わからないですし。「いつかBEGINのライブを観に行こう」って思っている方々に、「今年観に来た方がいいですよ」と言いたいですね。

――6月28日に開催される『うたの日コンサート2025 in 那覇』は、どのような一日にしたいですか?

比嘉:うたの日コンサートは今年が25回目の開催になります。「うたの日」って銘打っている以上は、沖縄から歌開きをするということなんですよ。日本人の本当に大切な何かが歌の中にある気がしています。だから、沖縄だけのイベントということではなくて、人が心を込めて歌った時に、こんなに感情が伝わるんだということを知ってもらえたらと思っています。『うたの日コンサート』に来て、生歌を聴けば、きっと歌の力がわかります。なぜならば、『うたの日コンサート』にお呼びしているアーティストのみなさんの歌力がすごいからです。

――来場する方々のメッセージをいただけますか?

比嘉:欲を言うならば、若い子たち、子どもたちにたくさん来てほしいです。森山良子ってすごいぞ、川中美幸ってすごいぞ、中村耕一ってすごいぞってことが、生のライブを観ると、わかるはずです。あの人たちの生の歌って、とんでもないんですよ。そういう方々の本物の歌を聴きに来てほしいです。

(取材・文=長谷川誠/写真=林将平)

LIVE REPORT

BEGIN35周年記念公演
『さにしゃんサンゴSHOW!!』
2025年3月30日 日本武道館

BEGINのこれまでの歩みと未来を予告した『さにしゃんサンゴSHOW!!』
1万人がともに歌い、踊りあった35年分の“さにしゃん”が詰まった夜

BEGINのデビュー35周年を記念した公演、『さにしゃんサンゴ SHOW!!』が3月30日、超満員の日本武道館で開催された。比嘉栄昇(Vo)、島袋優(Gt / Vo)、上地等(Key / Vo)が法被姿で登場すると、盛大な拍手と指笛と歓声が起こった。「今日は皆さんがBEGINです。皆さんを喜ばせるために、お祝いの宴を開きます」と比嘉。ステージ上にはメンバー3人に加えて、ベース、ドラム、和太鼓などサポートメンバーや日本盆踊り協会の踊り手12名も参加して、「東京音頭」「炭坑節」「渋谷百年総踊り」が演奏されるにぎやかな始まりとなった。この3曲にはBEGINが生み出した音楽“盆マルシャ”(盆踊りとブラジルのマルシャを融合)のアレンジが施されていた。比嘉のウォッシュボードも加わった“踊らずにはいられないリズム”と上地のアコーディオンなどの奏でる“楽しくて懐かしい音色”が特徴的な音楽だ。朗々とした歌声や「ワッショイ! ワッショイ!」というかけ声に誘われて、観客が歌って踊って、序盤から会場内がお祭りムード一色に染まった。

「武道館の広さをよくわかってもらうために3人で演奏します」との比嘉の言葉に続いて、スクリーンの映像を切って、3人のみで「いつものように」「恋しくて」「涙そうそう」を披露。体温や気配までもが伝わってくる温かな歌と演奏がいい。3人の生み出すグルーヴも自在だ。客席からのリクエストに応えて、「春にゴンドラ」や「防波堤で見た景色」などの一節を歌う場面もあった。3人のフレンドリーな対応によって、まるで地元のライブハウスにいるような和やかな空気が漂った。

中盤はサポートメンバーも参加して、沖縄を題材にした歌が続く構成。「三線の花」での大らかな歌声と生命力あふれる三線の音色に酔いしれた。「海の声」では島袋の素朴な歌声に胸を揺さぶられた。ウクレレとアコーディオンと客席の手拍子が一体となって、南国ムードが漂ったのは「アサイーボウル」。島袋のスライドギターをフィーチャーした「笑顔のまんま」ではコール&レスポンスが起こり、会場内に笑顔の花が咲いた。彼らの飾らない人間性が反映されたヒューマンな歌と演奏が気持ち良く響く。

「35年を祝うには歌を作るのがいいなと考えました」と比嘉。アルバムを制作中であること、一昨年にツアースタッフが亡くなり、そのことを歌わないと先に進めないと思ったことなどのMCがあり、新曲3曲が披露された。その中の1曲、「太陽」は内省的な深みと芯の強さを備えたボーカルと力強く刻まれるビートが印象的なナンバー。

武道館がお祭りの会場と化したのは「マルシャメドレー」だ。「バルーン」で始まり、「365歩のマーチ」、「上を向いて歩こう」「ガラスのジェネレーション」、「勝手にシンドバッド」など、名曲の数々がマルシャ風の味付けが施されてノンストップで演奏されていく。ステージ上では宮城姉妹がサンバダンスを披露し、客席では巨大なバルーンが跳び、観客がカチャーシーを踊り、提灯が揺れている。お祭りとカーニバルとが合体したようなカラフルで熱くて楽しい空間が出現。

コンサートの終盤では「竹富島で会いましょう」「オジー自慢のオリオンビール」など、BEGINの島唄が披露された。曲の途中で「また集まろうと約束できるだけで頑張れます。それが音楽を続ける意味です。また新しい約束を重ねられるように、オレらも頑張ります」との比嘉の言葉もあった。「かりゆしの夜」はこの夜のテーマ曲のように響いてきた。愛と感謝の思いがたっぷり詰まっていたからだ。曲の後半は1万人がカチャーシーを踊りまくる展開。歌い終わった上地がジャンプしてのフィニッシュ。「やるだけやったら、あとはなんくるないさーの精神で、自分らしくあってください」との比嘉の言葉に続いて、本編最後に演奏されたのは新曲「なんくる君であれ」。悲しみや痛みを包み込むような温かな歌声と演奏が染みてきた。アンコール最後の曲は「島人ぬ宝」。BEGINの音楽を育んできた自然や人々への感謝の思いまでもが伝わってくるようだった。ここでは1万人のBEGINのシンガロングが実現した。

3時間に及んだ『さにしゃんサンゴ SHOW!!』は“鑑賞”ではなく、“参加”という表現がぴったりだろう。BEGINのメンバーとともに歌い、踊ることで、明日への活力が湧いてきた人もたくさんいたのではないだろうか。“さにしゃん”は沖縄の言葉で“うれしい”という意味がある。さまざまな年代の曲が演奏されて、35年分のうれしさが詰まった夜となった。沖縄音楽、民謡、ブルース、ハワイアン、ロック、カントリー、ラテン、スカなど、彼らのルーツミュージックも見えてきた。彼らが多彩な音楽の要素を吸収して新境地を開拓しながらも、老若男女が楽しめる生活に根ざした音楽を作り続けているところにも、拍手を送りたくなった。この日の武道館公演は35周年の祝いの宴であると同時に、BEGINの未来を予告するステージにもなっていた。新作アルバム『太陽』も発表される予定だ。つまり、“さにしゃん”はまだまだ続いてゆくのだ。

●セットリスト
01. 東京音頭
02. 炭坑節
03. 渋谷百年総踊り
04. いつものように
05. 恋しくて
06. 春にゴンドラ
07. 涙そうそう
08. 防波堤で見た景色
09. 声のおまもりください
10. 三線の花
11. 海の声
12. 砂糖てんぷら
13. アサイーボウル
14. 国道508号線
15. 笑顔のまんま
16. 太陽(新曲)
17. ただ雲になる(新曲)
18. ほなバイバイ〜大阪マドロス女〜(新曲)
(マルシャメドレー)
19. バルーン
20. 上を向いて歩こう
21. 365歩のマーチ
22. 自動車ショー歌
23. お祭りマンボ
24. 好きになった人
25. ガラスのジェネレーション
26. 勝手にシンドバッド
27. 銀河鉄道999
28. ソウセイ
29. 竹富島で会いましょう
30. オジー自慢のオリオンビール
31. かりゆしの夜
32. なんくる君であれ(新曲)

EN1. ボトル二本とチョコレート
EN2. 島人ぬ宝

(取材・文=長谷川誠 / 写真=Yuto Fukada)